体にいいものガリガリしたいよね
うさぎとカルシウムについて その1 
01.03.06改訂
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よく考えてガリガリしよう

ニフティ、ガリガリ事件

すでに2年以上前の99年2月、尿石症になった子の報告が、ニフティのペットファーラムでありました  原因は、硫酸カルシウムの固まりの、ニンジン型囓りものを、さかんにガリガリしたためでした(注1)  ペットショップのすすめで、同じものをケージに取り付けていたわたしは、あわてました  ガリガリしたあと特に、尿に白いざらつきが多くなるので、少し気になっていたところでもありました  尿石症になった子の飼い主さんは、獣医さんに即時止めるように言われ、ことの顛末をメーカーに知らせると言っていました(注2)

そのニンジン型の囓りもの、「ガリガリくん」は、当時ネットで一躍有名になりました  それは、わたしがうさぎとカルシウムの関係を知る、きっかけになった事件でした

 


注1:ニフティフォーラム、FPETMAM MES6 #12990とそのチェーンで、事件のことが報告されています(ログは現在ライブラリに収録)  その仔は、幸い自力で石を排出でき、手術には至らなかったのですが、読んでいる方もつらくなる事件でした

注2:2月25日、飼い主さんと連絡が取れ、その時の対応を聞くことができました
「メーカーでは『ウサギの個体差があるので、獣医さんから指示があったらやめさせて下さい』という対応で、ニーズがあるから販売は辞めない、という姿勢でした。商品化するに至っては、ちゃんとウサギに与えてデータをとったそうです。」
とのことでした  では安全なのでしょうか?
 

うさぎに高カルシウム食は危険なんだ

うさぎのカルシウム代謝は特殊なのです  摂取した分を、非常に効率よく吸収します  そして血液中のカルシウム濃度が上がり、過剰分は尿として体外に排出しようとします  したがってうさぎの場合、過剰分がダイレクトに尿中カルシウムの増加を導いてしまいます(注3)

このことは尿を観察すると、簡単にわかります  高カルシウムの食事をとると、尿が白く濁り、さらには結晶の粒が大きくなり、ざらざらとします  このような尿では、結石にいたらなくても、排尿困難になりそうなことが、素人目にも明らかです  ぜひ観察してみてください

以前は、「うさぎには積極的にカルシウムを与えることが必要」といわれた時代もあったそうです  それを背景に、カルシウム補給をかねた、囓りものが製品化されたのでしょう  類似品もあり、小動物用雑誌の広告欄でも、何種類か見つかります  しかし今は、「うさぎに高カルシウム食を与え続けると、障害が起こりやすい」ということが、わかってきているのです

 

 
注3:
「うさぎ学入門」斉藤久美子著インターズー P.153-161[泌尿生殖器疾患]参照

高カルシウム食の害については、ペット新聞社「うさぎの本vol.2」p.18-27 [食事について]から、高カルシウムの害、及び、うさぎ用サプリメント、の項参照

うさぎのカルシウム代謝の特殊性、過剰摂取の危険性について、雑誌やインターネットで、時々獣医さんが触れています  さりげなく書かれているので、つい見落とす場合もありそうです  注意してみてください
 

注意書きを読めば大丈夫なの?
右の写真は、前述の囓りものの裏に印刷された注意書きです
遊びながら栄養補給できるなんて、おもわず買いたくなります?(^^;;
しかし、カルシウムの過剰摂取はかえって害になると知ってしまうと、好きなだけガリガリさせた自分がコワイです(だいぶ昔のこととはいえ)

※この写真は、なお吉さんよりいただきました(感謝)

   

補助食品には疑問がいっぱい

したがって、骨がもろいうさぎのため、カルシウムを添加、とうたったペレットも不要、ということになります  カルシウムは日常の食べ物からの摂取で、充分だそうです  ニンゲンにカルシウム補助食品が流行っているからと、うさぎも同じように考えるのは間違いのようです  わが家では、ペレットも低カルシウムのものを与えています

たくさん出ている栄養補助食品、注意書き通りに与えれば、ほんとに安全なのでしょうか?(上記の写真をご覧ください)  これまでの経緯から、安易に与えるのは止めました

「ストレス解消」にかじらせるなら、シンプルなかじり木で充分です
ケージ等に固定してやれば、がんがんかじりますよ


最適なうさぎの飼育法って?

うさぎの飼育方法、悩みだしたらキリがありません  飼育書も10冊買ったら、10通りの飼育法が書いてあり、全く見解の違うものさえあります  ですから1冊だけ読んで、鵜呑みにするのは危険です  飼育環境、個体差等を考慮し、うさぎを観察しながら、ある程度は飼い主が自主判断していくしかないようです

その判断のために、正しい最新の情報が必要です  かわいいうさぎを長生きさせたい、という同じ思いを持つ同志として、飼い主同士でも情報交換しましょう  どんな方法にもリスクはついてくると思いますが、そのリスクを知った上で選んだのなら、何か「こと」が起こったときに、対応がしやすいものね




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